どんなスタイルで起業?
簡単なのは個人事業主です。資格や許認可がいらない業種なら、税務署に開業届を提出すればその日からあなたも事業主です。
開業の届出に一切費用はかかりません。
株式会社と違って資本金の払い込みも不要ですし、登記の費用なども発生しません。
にもかかわらず、多くの起業家の皆様が法人化を選ばれるのはなぜでしょうか?
会社設立のメリット@ ・・・ 信用
個人事業主に比べて会社の方が「信用」があります。融資も受けやすくなりますし、「個人事業では取引してもらえない」という話もよく聞きます。
例えば、みなさんは「NPO法人」と聞いてどんなことをイメージしますか?
「ボランティアとか社会貢献をする団体じゃないの?」って思われた方も多いんじゃないでしょうか?
これも信用です。
会社の実態ではなく肩書きで判断されるいい例ですね。
また、設立したところで気が早いと言われるかも知れませんが、”代替わり”のことを考えてください。
個人商店の場合は、社長さん本人の信用だけで取引しているケースがほとんどです。
息子さんに代替わりをすれば、また一からやり直しということにもなりかねませんよ。
会社設立のメリットA ・・・ 税金
「税金」面でも会社のほうが優遇されています。事業規模にもよりますので一概には言えませんが、個人経営で家族を事業専従者とするよりも
法人化して本人や家族従業員に給料を支払った方が、トータルでの節税対策に有利です。
法人の場合、本人や家族従業員に対して退職金を支給することも可能ですし、
その額が適正であれば必要経費にすることもできるなど、経費として認められる対象が広いことも有利といえます。
また、「資本金1000万円未満の株式会社の場合、設立年度と翌年度の消費税が免除されること」、
「赤字の繰越期間が最長で7年になる点」もメリットと言えるでしょう。
会社設立のメリットB ・・・ 責任
個人経営では、責任の範囲は無限です。事業上で大きな損を出して倒産するようなことがあれば、個人財産までが債務の返済対象となってしまいます。
それに対して、法人の出資者としての責任は有限責任※です。
ですから、出資者は出資金の範囲内で責任を取ればいいということになります。
※ただし、代表取締役は、その職務を行う上で第三者に加えた損害について賠償する責任を負うことになっています。
また、小規模の法人組織の場合は事業資金を銀行借入に依存することが多く、
銀行等はその借入れについて代表取締役の連帯保証を求めるのが一般的ですから、
その場合は、(法人として返済できなければ)個人にまでその返済責任が追及されることになります。
会社設立のメリットC ・・・ 相続
法人設立と相続と言われてもピンとこないかもしれません。例えば、事業主個人の預金は、事業用であろうが生活用であろうが事業主が死亡した時点で凍結されてしまいます。
そうなれば、事業で必要な決済資金や給与の支払いができなくなるかもしれません。
また、事業用として使用している土地や建物であっても、個人名義の場合は相続の対象となります。
事業とは関係のない相続人がいる場合や、相続制を支払うために事業資産を売却するようなことになれば大変です!
法人化することにより、個人名義の事業資産を法人名義に変更できますので、これらの不安は解消されます。
この場合、相続の対象となるのは代表者の所有する株式です。
ですから、「時間をかけて跡を継ぐ子供に株式を移転していく」というような相続税対策をとることも可能です。
ただしデメリットも・・・
法人化するのはいいことばかりではありません。当然デメリットもあります。
まず、会社を設立するにはお金がかかります。
それだけではなく、設立後の運営手続きも煩雑になりますので、その分余分な費用がかかります。
また、税金面で有利とも書きましたが、それもある程度の売り上げがあってこその話です。
法人の場合は赤字であっても法人住民税(最低7万円)は納めなければいけないなど、マイナス面もあります。
けっきょくどっちが有利なの?
どちらが有利・不利ということは一概にはいえません。お客様ひとりひとりの事業計画に基づいて、メリットとデメリットを見極める必要があるでしょう。
もちろん、法人でなければ許可が下りない場合や、取引の都合上法人にしなければいけないこともあるでしょう。
当事務所にご依頼いただければ、設立の前段階からアドバイスをさせていただきます。
お客様にとってベストな選択になるよう、一緒に作り上げていきましょう!